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[大阪府の投げた一球から考える]

「夜7時まで」反発で撤回 遊技場出入り規制で大阪府 [ 09月15日 共同通信 ]


大阪府が投じた一球は、見事 ”ストライク” とはいかなかったようですね。

大阪府の言い分も分からないこともありません。
何故なら、ボーリング場にはゲームセンターが併設されているからです。
きっと府は、ボーリング場=スポーツ施設とは思えなかったのでしょう。

ただ、子供達は、規制の有無に関係なく、遊びたい時は遊びます。
基本的に、規制で縛るつけることは難しいでしょう。
大阪府の職員も、自分達が子供だった頃を思い出せば分かるはずです。

今回の件は、結果的に大阪府がおれる形で決着したようですが
はたして、本当にこれで決着としても良いものなのでしょうか。

・・・

こんなエピソードがあります。
友人がイギリスに旅行に行った際の出来事です。

ある日友人は、大あわてで地下鉄に飛び乗りました。
何とか間に合いホッと一息つくと、目の前にいた一人の老紳士が
人差し指をそっと口に当て、「静かに」というジェスチャーをしました。
それはそれは、とても自然に...

友人は私にこう言いました。

乗客は皆、自分を旅行者だと分かっていたと思う。
しかし、旅行者だからといって自分を放っておくことはしなかった。
あなたの行動は皆に迷惑をかけていますよ...
車内全体の空気が自分にそう言っているように感じられた。
おかげで、自らの過ちに自然と気がつくことが出来た。
注意されたけれども、嫌な気持ちにはならなかった。
見渡せば、地元の子供達は言われるまでもなく皆静かだった。
うるさいのは自分だけだった。

続けてこう言いました。

他人の過ちを正す際、大声も説教も必要ない。
社会全体の空気が真っ当ならば、それで十分伝わるのだ。
自分は老紳士や乗客から、このようなことを学んだ気がした...と。

・・・

私が子供の頃は、今の時代よりも大人の目が光っていました。
ですから、大きく羽目を外した時は、親以外の大人からも叱られました。
結果、子供心に「遊びにはルールというものがある」と感覚的に悟ったものです。

ところが、今はそのような空気は感じられません。
子供達は自由を履き違え、大人達は責任を放棄している...
そんな風にさえ感じられます。

ルールやモラルというものは、本人が周り(社会)の空気から悟り
初めて身に付くものだと思います。
その空気は、大人が中心になって作り出すものです。

そう言った意味では、今回の一件は、異議を申し立てた大人達にも
責任があったと言えるかも知れません。

・・・

”厳しすぎる”規制は、我々大人達が無責任であるということを
証明しているような気がしてなりません。

この問題は大阪府だけの問題として捉えるのではなく
社会全体の問題として受け止める必要があるのではないでしょうか。
by taka-sare | 2005-09-15 23:59 | ニュースを読んで
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