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[出会いのもの]

先日、友人から「○○日の夜、うちに来ない?」との誘いがありました。
曰く、C(共通の友人)が一時帰国しているから一緒に飯を食おう、とのこと。
運良くその日は出張から帰る日。なので「是非」と返事。

Cと会うのはかなり久しぶり。そこで、出張先で気の利いた土産物を買って帰ることにしました(出張先は長野県は佐久周辺)。うーん、何がいいかなぁ。帰国するのは久しぶりのはずだろうからなぁ。ならば、日本ならではのものがいいかな?...とあれこれ考えた末、結局マトンを土産にすることにしました。

え?何故にマトン?

それは
以前長野に住む友人から「家の近くの精肉店で売っているマトンが、安くてなかなか旨いんですよ」と聞いた。以来、いつかそのマトンを食べたいと思っていた。それから月日が経った。偶然にも今回の出張先がそのお店の直近だった。今回行う宴で炭火を熾すと聞いていた。
から。

私は、自分がときめかないものは人の土産にしません。
でもって、上記のストーリーがあったら、もうマトンしかないですよねぇ。
え?単に自分が食べたかっただけ?
はいそうですけど、それがなにか?

とはいえ、私も一応常識人(一応と付記するところが悲しい)。そこで、一応ホスト役の友人に、どんなもんだろうかと聞いてみることに。すると「よしそれをメインにしよう。とりあえず2kgあればいいんじゃない」。ということで、大いなる?後押しを受けた私は仕事帰りにブツを入手。のち、高速道路を爆走し(イメージ)皆の待つ会場へと向かったのでした。

・・・

21:00、友人宅に到着。しかし、友人Cの姿はありませんでした。
どうしたのと聞けば、都合が悪くなり来られなくなったとのこと。
あれま、そりゃー残念。まぁでも仕方がありません。
というわけで、結局この日はいつもの面子での食事会になりました。


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先ずは炭火で焼かれたホタテをば。
お好みで自家製ブルターニュ風ソースをかけて召し上がれ。
さすがはフランスで修行経験のある友人が作りしソース。
ホタテの旨味を生かしておりますな。旨し。
ベロがオレンジってことは、こいつはメス。
だからどうってことはないのですが...ただなんとなく。
あそうそう。「フランスで〜」は友人談ですので(笑)

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続いては、お得意の煮込み...いや、なにか雰囲気が違う。そこで、底なし沼に沈むものをすくい出すと、タンやらなにやら魅惑的な部位がゴロゴロと。うひょ。
で、結局、食べた人間がその底なし沼にはまるというオチ。

トドメは待ちに待った?マトンの登場。
タレに漬かっているので、きっとジンギスカン用なのでしょう。
でも我々はそのままで。はやる気持ちを抑え炭火でジュジュッ。
で、ハフハフと頬張る。

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なるほど、所謂ヨロシクナイ羊臭はありません。
(まぁあれは保存等のせいであって、羊のせいじゃないんですけどね)
肉を噛むと口内から鼻腔にかけて、草の香りがフワリと漂います。
そう、出来の良いサイレージを食んだ時に香る、あの爽やかな香りが。
これはいいです。って、サイレージを食んだことはないけど。

マトンに良い思いを抱いていなかった友人の母と私の妻が「マトンに対するイメージが変わった」「これなら食べられる」と言い、そして、その横で友人のお子さん達が肉に喰らいついていた。と書けばどの程度のものかが分かって頂けるかと。もちろんこれ以上のマトンはいくつもあるでしょう。でも、コストパフォーマンスを考えたらこれはかなりのものです。注文を受けてから切り分けたり(マトンは違うかも?)真空パックしたりすることを考えると、なおそう思います。紹介してくれた友人が「日常で食べるにはこれで十分」と言ってたのも納得です。いや十二分か。

で、そんなマトンに出会ったら。当然「アレ」も飲みたくなるわけで。
ということで、先ずは「日置桜」をグビリ。うはは、と笑いが止まらず。
暫く日置桜と羊の共演を楽しんだ後、今度は小笹屋竹鶴にご登場願うことに。

程よく焼けたマトンを頬張り咀嚼した後、熱々に燗をした竹鶴を口内に滑りこませる。すると...今度は...





私「・・・・・・・」
友「・・・・・・・」
私「!!!!!!!!!!!」
友「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

私&友「VうTR8△□☆...う、ウメェ~!!」



全米が泣くかどうかは分かりません。
しかし、友人は唸り、吠え、そして、泣きました。
これだ、これだよ...とうち震えながら。

マトンと竹鶴。一体なんなのでしょう。この組み合わせは。
互いに寄り添い、そして互いの旨さを引出し合う。そんな関係。
竹鶴があったからこそ垣間みることが出来たマトンの深淵。
マトンがあったからこそ垣間みることが出来た竹鶴の深淵。
いずれにせよ、互いがなくして到達し得ない桃源郷。

マトンを購入する時、漠然と竹鶴がいいだろうなぁと思いました。
しかし、よもやこれほどまでとは。

これがマリアージュなのか?これが出会いのものなのか?
そんなことを考えていたせいか、この日はなかなか寝付くことが出来ず。
仕方が無いので目を閉じ、羊が一匹、羊が二匹...
余計に眠れなくなったのは言うまでもありません。

※ 一部フィクションがあります。
by taka-sare | 2008-05-31 18:57 | 飲む・食べる・呑む
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