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[鳥獣戯画を垣間見る]

現在サントリー美術館にて開催されている展覧会に行ってきました。


[鳥獣戯画を垣間見る]_e0011761_21624.jpg「鳥獣戯画がやってきた!」
 ー国宝「鳥獣人物戯画絵巻」の全貌

前期:11/3〜11/26
後期:11/28〜12/16

※ 前期と後期で場面変え、展示変え有り




あれは20歳の頃だったか。私は京都に行った。
その際、鳥獣戯画目当てに高山寺に足を運んだ。
しかし、目当ての絵巻はそこには無かった。
全て上野に出張中だったのである。

故に、今回対面した時は、涙で暫く作品が見ることが出来なかった(イメージ)。

・・・

17:00頃、サントリー美術館に到着。
以前行った北斎展ほどでは無いにしても、展示物が国宝ゆえそれなりに混むのではないか?そう思った私は、土日を避け平日に足を運ぶことにした。
で結果はというと。
会場内は、多くもなく少なくもなく。それなりにいる...と言った状態だった。
(それでも、全部見終わるまで2時間弱かかった)

作品は3階と4階に展示されており、先ずは4階からという順序になっていた。
誰もが知っている高山寺の「鳥獣戯画」は4階の最初に展示されていた。
それ故、その周辺は人が集まり列になっていた(巻物故、尚のこと列になる)。
ならば空いている所からまわろうかと思うも、今回は特に急いでいるわけでもなかったので、のんびり順路通りにみていくことにした。

以下、ざっくり感想。

・・・

鳥獣人物戯画絵巻(甲・乙・丙・丁)は色々な人によって描かれていると言われているが、個人的には甲巻の筆のノビノビとしたタッチが印象に残った。他の作品と比べても、線が生き生きしているといった感じ。蛙や兎たちの足腰の雰囲気が良い。質感あり。表情もいい。動いているように見える。

やはり本物を見ておいて良かった。
何でもそうだが、コピー等では伝わらない部分が沢山あるということである。
今回は、筆致の違いを見られただけでも、行った甲斐があった。

鳥獣戯画は筆者も主題も未だ謎のまま(諸説いろいろ)である。
それ故、当時に思いを馳せながら...といった具合に、想像力や考察力を働かせながら作品を見ることとなった。これがなかなか楽しかった。

時にそれは面倒に感じることもあるのだが、鳥獣戯画に関して苦にはならなかった。おそらく、特に説明が無くても、絵を見ているだけでその様子が伝わってくるからだろう。
これだけ長い時を経ていても、説明が無くても、様子が伝わると言うことは?
結局、昔も今も人のやること、考えることは、大して変わっていないということなのか。

それはさておき、最後の方に展示されていた「勝絵絵巻」「放屁合戦絵巻」。
いつの世も、こんなん考えるヤツがおるんやねぇ...
後ろにいた若いカップルが、この絵を見ながらこんな会話をしていた。
面白くて、つい笑みがこぼれてしまった。

女「賜物比べってなあに?」
男「ん?よくわからん」
女「(絵を見て)あ、そういうことか(と失笑)」
男「あぁ...」
女「でも、面白いねー。これなんて凄いよ!」
男「うんホントだね。でも...最低な絵だよな...ほんとサイテーだ」
女「あはは」

やっぱり、女性の方が許容範囲が広いのかなぁ。

よく分からないという人は、是非足を運んでその目でご覧あれ。
どういうことなのか、一目瞭然なので(笑)。

・・・

[鳥獣戯画を垣間見る]_e0011761_4281416.jpg最後に。
強いて、今回の展覧会の残念だった点をあげると...

鳥獣人物戯画は絵巻物。
故に、やはり、クルクルと開きながら見たかった。
文字通り、スクロールさせながら。
そうすれば、格段に面白いと思うんだけどなぁ。
はい、無理難題、むりなんだい。

(注:写真のビールはこの日飲んだもの。特に意味なし)
by taka-sare | 2007-12-01 04:38 | 音楽・芸能・芸術
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