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[食の原点回帰]

時は一ヶ月ほど前に遡りますが、我が家に新たな調理道具が仲間入りしました。

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[鰹節削り 木屋]

これは、とある贈り物のお返しにと(目上の)知人から頂いたものです。聞けば、以前から我が家にプレゼントしたいと思っていたとのこと。





実は、鰹節削り器は、これまでに何度も買おうと手にとっては「そのうち」と先伸ばしにしていた調理器具の一つでした。それだけに、言葉にならない位嬉しい贈り物となりました。感謝。

・・・

昨日は仕事がオフだったので、夕飯時にこの鰹節器をデビューさせることにしました(用事が色々と重なったこともあり、頂いてから昨日まで、一度も使っていませんでした)。

カンナの刃は髪の毛一本程度を出して...鰹節は頭と呼ばれる部位を手前に...角度は40度にして...等々、鰹節削りにおける基本事項を確認・反芻しながら、鰹節削りを開始。初めは削り面が出来上がっていないこともあり、ゴリゴリ音が混ざり削られたモノも粉状になってしまいましたが、削り面がフラットになるにつれ、削る音が「シュッシュッ」と小気味良く響き始めました。手にも鰹節が「削られている」手応えが伝わってきます。病み付きになりそうな、非常に心地よい感覚です。刹那、中学生の頃、木材をカンナがけした時の感覚が蘇りました。

・・・

この日の味噌汁の出汁は当然「削り立ての鰹節」と昆布。具材は豆腐とネギ。豆腐は安売りしていた男前豆腐を。味噌は、以前長野を訪れた際に見つけた「素材から製法までこだわって作った(らしい)味噌」を。折角なので、ご飯は土鍋で炊くことに(もちろんおかずも作りましたが、今回の主役は味噌汁なので紹介・説明は割愛)。

さて、そのお味や如何に...逸る気持ちを抑え、先ずは味噌汁を一口。
うん。出汁の風味が上品です。米の炊き具合もいい具合。上出来上出来。
次に、残った削り節をご飯の上に乗せ、醤油をサッと一回しして食べてみることにしました。そうです、所謂「ねこまんま(注:味噌汁かけご飯という説もあり)」です。これは間違いなく旨い。ネコでなくとも大満足です。
そして次に、実家から頂いた美味しい卵があったので、定番・卵がけご飯にして食しました。醤油は三ツ星醤油で。結果は...ご想像にお任せします。

この後、作ったおかずを食べようとしましたが、もう上記のメニューだけで十分でした。なので、おかずにはほとんど手をつけず、翌日に持ち越すことにしました。

最後に、土鍋にはり付いた「おこげ」を剥がし、醤油をちょいと漬け、それを肴に芋焼酎(西海の薫 原口酒造)のお湯割りをチビリチビリと...
いやぁ、たまりません。
満足。


* 追記 *

贈り物に同梱されていた手紙には、ただ一文、こう書かれていました。

「おのが身を 削り極めん 味知の道 尽きることなし 滋味の深さよ」

なるほど。これは人生にも通じるような気がします。
料理のみならず、人生も味のあるものになるよう、日々精進したいと思います。
by taka-sare | 2006-04-04 04:57 | 飲む・食べる・呑む
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