カテゴリ:音楽・芸能・芸術( 50 )

[芸術の秋@錦糸町]

4日の夕方、トリフォニーホールにて催された「アトリエ澤野コンサート2006」に行ってきました。

・・・

今年で5度目(だったかな?)になるという、澤野工房主催の当コンサート。
存在は知っていましたが、足を運んだのは今回が始めてです。

この日の出演アーティストは

・ジョバンニ・ミラバッシ&アンドレィ・ヤゴジンスキ・トリオ
・ウラジミール・シャフラノフ・トリオ

の2グループ。

ミラバッシとシャフラノフは、いずれも澤野工房レーベルの顔とも言えるピアニスト。ファンではない私でも、凄い!と思う程ですから、澤野ファンにとっては、”超”の字を冠しても足りないくらい堪らないカップリングと言えるでしょう。

さて、一体どんなコンサートになるでしょう...

・・・

開演と同時にミラバッシが登場。
ん?日本人っぽいな...それもそのはず...その人は澤野社長でした(笑)
挨拶の中で澤野社長は「両者はレーベル立ち上げ当初から関わってきたという自負があるようで...今回ツアーを重ねる毎に(良い意味で)物凄くライバル意識を燃やしています...ですから、きっと素晴らしいコンサートになると思います。私も楽しみです」といった内容の話をされました。テンション上げてくれますね〜!
お陰で、いきなりワクワクモード全開となりました(単純?)

挨拶が終わった後、ジョバンニ・ミラバッシ&アンドレィ・ヤゴジンスキ・トリオが登場。今度は正真正銘本物です。

序盤2曲はミラバッシのピアノソロからスタート(美しく素晴らしい!)。
次いで、ヤゴジンスキ・トリオと共に演奏となりました。
ここで興味を惹いたのが、ヤゴジンスキがピアノを演奏するのではなく(アコーディオンを演奏)ミラバッシがそのままピアノを演奏するという変則的なスタイルでした。自分のトリオのピアノを他人に任せるということは、珍しいことですからねぇ(私は始めての体験)。

ミラバッシは演奏の合間に「彼(ヤゴジンスキ)は名うてのピアニストです(特にショパン弾きで有名)」とヤゴジンスキのことを紹介しました。ほぉー。それ程の名手が他人にピアノパートを任せるのですから、ヤゴジンスキは余程ミラバッシの演奏を気に入っているのでしょうね。

演奏の印象は、フランス映画を観ているよう...とでも言えばよいでしょうか。哀愁・切なさといった感情が、あたかも霧のように漂っている...といった雰囲気でした。それにしても、ヤゴジンスキが奏でるアコーディオンの音色は胸にじんわりと染みます。ピアソラとはまた違う魅力。澤野工房のCDレビューにあるように、まさに晩秋の黄昏時にフィットする音色でした。

・・・

アンニュイな雰囲気に包まれたせいか、次第に舟を漕ぐ人の姿がチラホラと。スイング?(笑)ところが、そんな船頭さん達も、10曲目に耳馴染みの良い旋律が流れると一斉に舟を漕ぐの止めました。
その曲の名は「THEME FROM HOWL'S MOVING CASTLE」。
そう、映画「ハウルの動く城」のオープニングに流れる”あのフレーズ”が流れたのです。やはり、知っている曲はホワイトノイズ化しないようです。

「ハウルの〜」と聞くと、「ふーん、どうせ日本向けに作った曲なんでしょう?」と思うかもしれませんが、さにあらず。ミラバッシが自発的に作ったということは、実際に聞けば良く分かります。その位ハマッていて良いです。今回は、アコーディオンが加わったことで(CDではピアノトリオのみ)原曲に近い印象となりましたが、これはこれで良いと思いました。

結局、アンコールを含め計12曲を披露し前半の部は終了。結構なヴォリュームでした。
さらに、この後シャフラノフが控えているとは...
うーむ。澤野コンサート、恐るべしです。

・・・

休憩を挟み、後半の部がスタート。
演奏の前に、澤野社長が再び登場。さすがに今度は間違えませんでした(笑)
社長は「ミラバッシが腰を浮かして弾く姿なんて今まで見たことがない」と説明。
なるほど、確かにCDで聞くよりも激しい演奏でした。

MCの後、ウラジミール・シャフラノフ・トリオが登場。
と同時に、ミラバッシ達の時にも増して盛大な拍手が。
聴衆の期待の程が伝わってきます。
それが分かってか、当の本人達も嬉しそう。

シャフラノフの演奏は、正統、重厚、といった印象。
かと思えば、茶目っ気を見せるなど軽妙な部分も披露。
とにかく、どんなに熱い演奏をしても、常に余裕を感じさせる所が凄い。
うーむ、懐が深い。この人は引き出しが物凄く多いんだろうなぁ。

8曲演奏した後、アンコールに応えシャフラノフがソロ演奏。
曲目は「CINEMA PARADISO」。
貫禄たっぷりの演奏に、安心して身を委ねる事が出来ました。
(個人的には、Pekka Sarmanto氏の渋いベースにも耳目を奪われました)。

・・・

今回のコンサート。クラシックのオーケストラで例えるなら(何故オーケストラで!?)前半が「パリ管」&「ヘルシンキフィル」、後半が「レニングラードフィルの演奏を聞いた時の印象を受けました。え?よく分からない?
まぁただなんとなく思っただけなので...分からない方はスルーでお願いします(笑)

それはさておき。
両者合わせて約3時間。内容の濃いとても良質なコンサートでした。
出来れば、今度は小さな会場で聞いてみたいものです。


e0011761_17272325.jpg[CD3種]
記念にCD(会場限定販売)を購入。
買うつもりは無かったのに...
限定の言葉に弱い?
右は澤野のサンプルCD(パート3)。
なんと全員にプレゼント!(太っ腹)。
パート1も持っていますが、このサンプルシリーズはとても良いです。
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by taka-sare | 2006-11-08 18:40 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[郷愁を誘う音楽]

今日はオフ。
なので、朝はゆっくり起きる。
昼を過ぎた頃、何をしようか考える。

ここのところ出張続きだったので、ちょっと疲れ気味。
故に、外出欲メーターは、ほぼゼロを指している。
外を見ると、今にも泣き出しそうな空模様。

ということで、家でのんびり音楽鑑賞をすることに決定。

では何を聞こう...CDラックを見ながら考える。
クラシック...って気分ではない。
じゃあ、ジャズ...うーん、これも違うなぁ。
歌ものは端からパス。

・・・

そんなこんなで、結局手にしたのはこれでした。


e0011761_154976.jpg[GAMELAN DEGUNG]
BULAN DAGOAN/GENTRA PASUNDAN

インドネシアはスンダ地方(ジャワ島の西側)に伝わる音楽「ガムラン・ドゥグン」。
暑く、そしてジメジメした日には、やはり似たような気候で生まれた音楽が合います。



このCDの良いところ。それは「力まずに聴ける」ところでしょうか。
テンポはスロー。さらに、装飾音が少なく目立った展開もありません。
とにかく刺激が少ないのが特徴です。

同じガムランでも、バリのものだとその激しいリズムにどうしても気分が高揚してしまいますからね。今日のような、ユルユルとのんびりしたい時は、抑揚の少ないジャワ・ガムランの方がフィットします。

・・・

初めてこのCDを聴いた時は、単調でとても退屈に感じました。
故にその時は「やはりガムランはバリに限る」なんて思ったものです。

しかし...

何度か聴く内に、私の考えに変化が生じました。
バリ・ガムランには無い、不思議な魅力を感じ始めたのです。
その不思議な魅力の正体とは何か。それは、得も言われぬ「郷愁感」でした。

・・・

ブックレットを読むと、「ドゥグン」に使われている音階は、西洋音楽で言う「2音」と「6音」を抜いたようなもの...と書かれています。

2・6抜き音階は「わらべうた」や「平安時代の風俗歌」など、日本の古典的な音楽に何かと使われてきた音階と言われています(良く耳にする「4・7抜き音階」は、実は歴史が浅く、明治期に西洋音楽が入ってきた際、折衷案的に作られてしまった音階なんだそうです)。

ということは...

このことを知った時、私はこう思いました。
もしかすると、自分はドゥグンに「先人達が耳にしていた音階」を感じとっていたのかもしれないな、と。

・・・

わらべうた、沖縄民謡、そしてジャワ・ガムラン。
どれも、聴くと何となく郷愁を覚えてしまうのは、そんな理由があるからなのかもしれませんね。


* おまけ *

ある本によれば、日本人は、西洋音楽と日本の伝統的音楽の間を行ったり来たりした後、ある時代から、伝統的な音感「2・6抜き音階」に戻りつつあるのだそうです。
確かに、昨今の沖縄系音楽のブームを考えると、何となく合点がいきます。
(沖縄の音楽には、この「2・6抜き音階」が使われている)

夏のオススメCD(バリ・ガムラン編)
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by taka-sare | 2006-08-17 23:59 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[恒例の暑気払い(後編)]

定刻を少し過ぎた辺りで公演はスタート。

団長のスゥエントラ氏が微かに目や手を動かす度、楽団全体があたかも一つの生き物のように有機的に動く。これは、クラシック音楽で言うところの、指揮者ムラビンスキー(故人)とレニングラードフィルオーケストラとの関係に近しいかもしれない。(分かりづらい例えでゴメンナサイ)
今回は結構ステージに近い席だったので、その辺りの様子を楽しむことが出来た。

もう何度も聴いたはずなのに...今回も、竹から発せられる硬軟様々な音色や、音を超越した波動に陶酔した。曲目が進むと、今度はそんなバンブーサウンドに、バリ太鼓や、青銅の音色が混ざる。プリミティブなのにモダン。琴線にふれてしまい無抵抗状態になる。気がつくと暑気はすっかり払われていた。しかしまぁ、大音量がこれ程心地よいと思えることは、そう滅多にない。
これは耳や脳ではなく、身体全体、いや、細胞レベルで聴いているからに違いない。
いや、ここまでくると、もう理屈はどうでもよくなる。

期待に反し?、公演後半にステージに呼ばれ団員と踊るコーナー?は設けられなかった。その後、演目は進み、アンコールの後、公演は終了となった。

・・・

ジェゴクの認知度が上がった為でしょうか。ここ数年、東京公演は大きなホールで演奏されることが多くなっていました(参考:サントリーホール 2006席。すみだトリフォニーホール1801席)。バリ島の音楽は音楽性が非常に高いので、音楽鑑賞と捉えれば、それはそれで全く問題はありません。実際、初めてジェゴクを大ホールで体験した時は、充分に感動出来ましたし、サントリーホール(舞台を客席が囲むホール)での試みは非常に興味深いものがありました。

しかし、演奏側と観客との間に物理的かつ精神的な距離感が生じ、結果、一体感に欠けてしまうように感じたのもまた事実です。もちろん、バリ島以外で体験する以上、このようなことは仕方のない事だと思います。ですから、これまで、そのことは重々承知の上で東京公演を楽しんできました。でも...

ジェゴクの根っこにあるものは儀礼・祭礼です。
やはり、あまりにも大きなホールになってしまうと、音楽的な部分が強くなってしまい、儀礼や祭礼の部分が楽しめなくなってしまうような気がします。もちろん、規模の大小だけが原因ではないとは思いますが。私見ですが、おそらく今回のこもれびホール(席数662)位の規模が、大きさの上限なのではないかと思います。

・・・

こんな風に書くと「そこまで言うんだったら、現地に行ってくりゃいいじゃないか」とツッコミのお言葉を頂いてしまうかもしれませんね。いや全くその通りです。
今回、会場が広すぎなかったせいか、演者の熱気にあたってしまい「バリ音楽・芸能のほとんどは、音楽である以前に祭礼なんだよなぁ。祭りの部分を体験するんだったら、やっぱり現地に行かねばなぁ」という思いが強くなった次第です。
うーむ。こりゃあ、来年の暑気払いはバリで...かな?


* 追記 *

この記事を書き終えた後、「竹音」という小冊子を読んだら、スェントラ氏はその中でこう語っていました。
「ジェゴクの音は(中略)野外であれば、そこにある土、木や植物、建物、その空間全部と、劇場のなかでは、反響する音をも巻き込むように、演奏する土地、場所にすでにあるパワー(タクスゥ)と響働するのです」

演奏する場が変われば、当然、その土地ならではの演奏が生まれる。しかしジェゴクはジェゴク。そのことが本質を変えることはない、ということか。
だとすると、場所のことを云々していた私はピントがずれていたのかもしれません。うーん。深いなぁ。

* おまけ *
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by taka-sare | 2006-08-08 11:44 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[恒例の暑気払い(前編)]

梅雨も明け、すっかり夏らしくなった今日この頃。

こんな暑い日には、暑い国の音楽を聞くに限る!
ということで、昨夜はバリ島の芸能・ジェゴグを堪能しに
保谷にある<こもれびホール>に行ってまいりました。

(ここで、あれ?この出だしは…と気付いた貴方には、もれなく「熱心なタカサレ読者」の称号を差し上げます。一方的に)

この時期は、全国各地で花火大会や○○祭りなどが催されているので、一度それらに足を運んでみたいと毎年思ったりするのですが...結局、ジェゴクかガムランの公演に足を運んでいます。ここ10年位。もはや夏の恒例行事となった感すらあります。

うーむ。おそらく、あの音空間に魅せられてしまったのだろうなぁ。

ちなみに。
実は、昨年の投稿にトラックバックをしてくださった、タコ壺さんの記事を読むまで、今年の公演の事は知らずにいました。恒例の...とか言っておきながら。改めて、自身のアバウトさを実感。

・・・

真夏日を遙かに超える気温の中、保谷駅からバスに乗りホールへ向かう。
バスの中には、バリを匂わせる出で立ちの方の姿もチラホラ。この人達もこもれびホール組だなと思いつつ最寄りの停留所で降りようとすると、バスにいたほとんどの人がゾロゾロと降車口へ。おぉ、この人達も皆ジェゴクを鑑賞しに来た人達だったのかと少々ビックリ。そして、すっかり有名になったんだなぁ、ジェゴク…と少々しみじみ。

e0011761_19336.jpg会場に足を踏み入れると、ジェゴク関連のCD&DVDや、バティック(バリの布)や、アクセサリーや、バリコピ(コーヒー)や、ジンジャーティーなどバリらしい品々が売っており(当たり前か)、何となく気分がバリモード?に切り替わる。折角だからバリコピでも飲もうかなと思うも、その前に珈琲を飲んでしまったせいもあり、予想以上に珈琲欲が湧かず断念。では、公演前に腹ごしらえでも...と思うも予想以上に時間が足りず断念。ではでは、初めて目にしたDVDでも買ってみるかと思うも、予想以上に持ち合わせが無かった(ここに来る前に既に散財してしまった)ので断念。結局、何も買うことなく席に向かうこととなった。

私達夫婦の席はH列とギリギリに予約した割りにはナカナカ良い席だった。会場を見渡すと、後席の一部を除き結構満席に近い。残り者に福があったということか?
こんなに前の席だと、公演の最後にステージに呼ばれて踊らされるんだよなぁ、と勝手にドキドキする。しかし、幸か不幸か、これまで呼ばれた事は一度も無い。小学生の頃、指されたくないと思った時ほど、先生の目に留まった事を思うと、実は潜在的には踊りたいと願っているのかもしれない。

今回はもう一つ勝手にドキドキしていたことがあった。
それは、先に書いたタコ壺さんが同じ会場にいると知っていたからだ。
会場には600人(意外と少なく感じる)程度しかおらず、ホール自体もそれ程広くない。面識もないのに、その内「もしかして、タカサレさんでは?」等と肩を叩かれたらどうしよう...と、勝手に妄想を膨らませてしまった。タコ壺さんのブログに「密かにタカサレ探しでもして楽しんで下さい」等とコメントしたのは自分なのにも関わらず。しかし、幸か不幸か、タコ壺さんの目に留まることは無かったようで(実は分かっていたりして?)、最後まで声をかけられることはなかった。

ん?ということは...
潜在的に、声をかけられたかった、ということになるのかな?

ちなみに、妻が私の横で「もしかしたらあの人がタコ壺さんでは?」と、私以上にタコ壺さん探しを楽しんでいたことを付記しておきます。

・・・後編に続く
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by taka-sare | 2006-08-06 19:22 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[ジミな音楽を楽しむ]

話は少し前に遡りますが...

先週の金曜日、知人に誘われ曙橋にあるRestaurant & Live House「BACK IN TOWN」へ行ってきました。この日の出演者は「亀工房」。ハンマー・ダルシマー&アコースティック・ギターという一風変わった組み合わせのデュオ・バンド(夫婦)です。

e0011761_3563297.jpg[ギター 左:バリトン 右:ノーマル]

旦那さんがギターを担当。


かつて自然・生物に関わる仕事をされていた異色のギタリスト。若き日にアメリカへ渡り武者修行。某大会で上位入賞。カナダの名ギタリスト「Don Ross」に注目される(以前見に行ったライブではDon Rossが友情出演していました)。後にプロ活動を始める。


亀工房の演奏をライブで聞くのは今回が2度目。前回はアイリッシュ&アメリカン・トラッドをメインに演奏が行われましたが、今回は前半が「日本の童謡&遊び歌」(この度発売されたNEWアルバムに収録されている曲)、後半は「ギターソロ」「ベリーダンスとのコラボ」「オリジナル曲&アイリッシュ・トラッド」という構成となりました。

(以下、雑感)

・・・

前半の部

2人が曲を奏でるや、直ぐさま幼き頃に見た光景が目の前に広がった。おそらく、会場に居合わせた方の多くが同様に感じたことだろう。
曲には人の心を過去に誘う力がある。今回、童謡や遊び歌を聴き、改めてその事を実感した。それにしても、童謡や遊び歌をこんなに真剣に聴くことなんて今まであっただろうか。

音楽的には「じんじん」という曲が興味深かった。特に、ハンマー・ダルシマーの奏法(ミュートを多用)には耳を奪われた。この曲を聴き、ハンマーダルシマーの新たなる顔を発見した。


後半の部

後半初めはギターソロ。使うギターはバリトン・ギター(バリトン・ギターは巻弦が多いので音が太く揺れる。ギターという言うよりもベースの色合いが強い)。楽曲は、数年前、機関車トーマス好きだった長男の為に作ったというオリジナル曲(だったかな?)。曲の合間合間に機関車の走るリズムが現れとても面白い。奏者の高い技術(引き出しの多さ)が垣間見られた。

次に、亀工房得意のアイリッシュ・トラッド(ダンス・ミュージック)を演奏。ここで、スペシャル・ゲスト、ダンサー(ベリーダンス)の「NAHO」さんが登場(小柄でチャーミング。テレビ「たけしの誰でもピカソ」に出演経験有りとのこと」。詳細はNAHOさんのWEBサイトでどうぞ)。

アイリッシュ・トラッドとベリーダンスのコラボレーション?

音楽や芸能に興味のある方は、このミスマッチな関係にそう思ったことだろう(かく言う私もその一人)。NAHOさん自身、このような曲に合わせるのは初めてとの説明があったので、始まる前は一体どうなることかと思った。しかし蓋を開けてみると、これが意外にもシンクロするのでビックリした。聞けば、NAHOさんはベリーダンスの他、バレエ・日舞・フラメンコにも通じているとのこと。なるほど、その引き出しの多さが、対応を可能にしているのかもしれない。いやぁそれにしても大変興味深いコラボである。このような組み合わせはもう二度と体験出来ないかも知れない。

・・・

今回のライブは、楽曲は総じて地味でしたが滋味にあふれる良質なものでした。この感覚は、丁寧に作られた「白飯」と「お味噌汁」を食べる時の感覚に似ているかも知れません。派手な演出のライブも良いですが、このようなホッと出来るライブもまた良いものですね。


* ハンマー・ダルシマー *

e0011761_3564848.jpgハンマー・ダルシマーは奥さんが担当。旦那さんが所有していた当楽器に出会い、以降、当楽器演奏に傾倒。独学で習得し、今ではアメリカでも好評を博すほどの演奏者となった。

日本ではあまり有名ではないが、ヨーロッパ(近年はアメリカが本場とされる)ではかなり有名な楽器。一般的に「チター」もしくは「プサルテリウム」から発展した楽器と見られている。シルクロードを通って伝わったことは、インド、インドネシア方面の「サントゥール」、中国の「ヤンチン(洋琴・揚琴)」の姿が雄弁に物語っている。ちなみに、ハンマー・ダルシマーはピアノの先祖とされている。
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by taka-sare | 2006-06-19 23:56 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(2)

[賞味期限の長いクリスマス・アルバム]

クリスマスが終わると、一変、正月ムードに様変わり。
この時期は、一年で最も騒がしく、そして節操のない時かも知れません。
巷に流れる音楽もまた然り。

e0011761_143817.jpg

クリスマス関連のCDは華やかですが
賞味期限がやたら短いのがネックです








皆さん。
クリスマス用にと購入したCDは、時期が過ぎても聴いていますか?
おそらく、ほとんどの方が「聴かない」と答えることと思います。
私も同様で、これまであれこれと関連CDを入手してきましたが
シーズンが過ぎてなお聴くことは先ずありませんでした...

その時は良かれと思い購入した、このクリスマス関連のCD。
時期が過ぎると、先ず聴くことがないのが困りものです。
もっとも、所有するCDの中には、全く聴かなくなったモノもありますから
考えようによっては、最低でも一年に一度聴くクリスマス関連のCDは
まだ良い方なのかも知れませんが。

・ ・・

そんな賞味期限の短いクリスマス関連のCDにも
唯一?長く楽しめるアルバムがあるのをご存じでしょうか?
今回は、そんな異彩を放つ一枚を紹介したいと思います。

それが、これ。

e0011761_1438235.jpg
「Christmas in BALI」

バリでクリスマス?
一見相容れないように思える両者ですが
それを融合させてしまったのが当CDです。




ライナーにはこのように書かれています。
「そう、この4枚(タカサレ注:他にも似たような企画のCDがあるのです)は、インドネシアの民族的な音楽をお好きな人がシャレで聞くものであって、それ以上でも以下でもない。シャレが通じない人は、聞かないで下さい。」

大抵ライナーを書く人は、必要以上に褒めちぎったり、当たり障りのないことを書くものですが、この方は違います。間違って買ってしまった人(そんな人はいないですね、きっと)にトドメを刺すかのように言い切っています。
私は承知で購入したので、この文章で先ず痺れてしまいました。

実際、全くその通りでして、その意味は一聴すればすぐに分かります。
眉間にしわを寄せて聴くCDではありません。
どんなに難しく聞こうとしても、直ぐに力が抜けてしまいます。
リンディックなどの楽器で演奏されるクリスマスソングは
もはや西の音楽ではなく、東のそれにしか聞こえません。
例えば”ジングルベル”は、クリスマスというよりも正月をイメージしてしまいます。
音楽の向こうに見えのは、降りしきる雪ではなく暖かな陽光です。

故に、このCDはクリスマスが終わった後に流しても、何ら違和感がありません。
(元々が違和感だらけなのでは?というツッコミはなしです・笑)
そういった意味で考えると、このアルバムは一粒で二度美味しい”お得なCD”と言えるかもしれません。

もっとも、このCDは、そういったことを超越してしまっているのですが…

良くも悪くも脱力出来ます。
民族音楽に興味があり、かつ、シャレの分かる方はもちろん
年末、身も心も疲弊してしまった方にも一聴の価値ありです。多分。

・・・

このCDを聴いて思います。
世知辛く、そして、殺伐とした今の世の中にこそ
このような“洒落っ気”や”ゆとりある心”が必要なのではないか、と。


* リンディック *
別名ティンクリック。
同名の竹製の鍵盤楽器2台を中心とした小規模なアンサンブル。
筒状の鍵盤は共鳴体をも兼ねており、先端にゴム(古タイヤの切れ端の場合が多い)を巻いたパングル(バチ)を両手に一つずつ持って演奏する。
残響が短い為、金属製鍵盤楽器(ガムラン)のように鍵盤を手で押さえミュートすることはない。スリン(縦笛)が編成に加わることも多く、その際は、ポコポコと親しみやすい竹の音色の上に、郷愁をそそるスリンの流麗な旋律が乗る。
レストラン、ホテルのロビー等、観光客が集まるところで演奏される。
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by taka-sare | 2005-12-26 15:34 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[ドビュッシーに触れる 〜北斎に誘われて〜]

e0011761_074873.jpg
[ドビュッシー:交響詩『海』/他] 1989年録音

シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団




学生時代に購入したCDを久し振りに聴きました。(北斎展で入手した本を眺めながら)

ご存じかも知れませんが、交響詩「海」の楽譜(初版)の表紙は北斎の作品「神奈川沖浪裏」が使われていす。

e0011761_1675953.jpg[CDのジャケット裏]

中央に見えるのが、楽譜の表紙です。



ドビュッシーは仕事場にも「神奈川沖浪裏」を飾っていたようですからね。余程、この作品がお気だったのかもしれません。

・・・

折角なので、ドビュッシーにまつわるお話を。

とある一座がフランス公演にやってきた時のこと。
ドビュッシーは無名の若き俳優を見て「君は生まれながらの音楽家でダンサーだ。真の芸術家だよ」と賛辞を送り握手を求めました。

この若き俳優こそが、後に喜劇王と呼ばれる”チャップリン”その人だったのです。

北斎にチャップリン...

"天才は天才を知る"ということなのでしょうか。
やはりドビュッシーは只者ではないようです。

・・・

ちなみに、この話には続きがあります。

若き俳優は、”高名なる音楽家”ドビュッシーと別れた後、通訳にこう聞いたそうです。

「隣にいた女性は誰?」

...男です。チャップリン。


そして、その後に以下のような会話が交わされたそうです。

「それで、あの紳士の名前は何でしたっけ?」
「あの方は、かの有名な作曲家、ドビュッシーだよ」

「...聞いたことないなぁ」

素敵です。チャップリン。


* 交響詩「海」と「神奈川沖浪裏」 *
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ドビュッシーは、北斎の「神奈川沖浪裏」にインスピレーションを受け交響詩「海」を作曲したと言われていますが、単に「海の印象を音で描いた」というのが本当のところのようです。ただ、少なくとも、日本(浮世絵、版画、雅楽)にはかなり興味を示していたようです。

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by taka-sare | 2005-12-07 14:20 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(4)

[HOKUSAI 〜根っからの絵描きに酔う〜]

e0011761_21482753.jpg昨日は、東京国立博物館で開催されている
北斎展に行ってきました。

催しの謳い文句は
「最高の北斎500点、世界から集結」
(今後、これだけ揃うことは無いと言われている)



以下、レポート&感想です。

・・・

この日は展示期間の最終日ということで、かなりの混雑が予想された。
それ故、開館時間前に到着するよう家を出た。
しかし私が到着した頃には既に、正門付近は老若男女で溢れかえっていた。
凄い盛況ぶりである。
朝から随分と冷えていたのにも関わらず、その後も、人の列はのびる一方だった。
(中には、TAXIで乗り付け、急いで列の最後尾に向かう人の姿も...)


e0011761_21332415.jpg
開館15分前になり正門が開く。
と同時に、あっという間に会場まで人の列が...

上野でこんなに並ぶのは
幼少期にパンダを見に来た時以来か?




開館からしばらく経ち、ようやく館内に到着。
展示室は、北斎の70年分(90歳で没するまでの間)の作品が年代別に展示されていた。順を追って鑑賞すれば、彼のライフワークが時系列に分かるという寸法だ。
しかし、当然の事ながら展示室内は見渡す限り、人・ひと・ヒト...
その上、皆、入り口の一枚目の作品で立ち止まってしまっている為
300点(集まった500点の中から300点が選ばれ展示されている)という展示数にも関わらず、なかなか作品に到達することが出来ない状況となっていた。

流れに沿って鑑賞しようとすれば、膨大な時間が必要となるのは明らかだったので
すぐに流れから外れ、比較的人だかりの少ない作品から順に鑑賞することにした。

e0011761_21444781.jpg


(作品に対する感想は、あまりにも数が多いのでここでは割愛)

絵に関する知識が無いので、専門的なことは分からない。
しかし、素人の私が見ても、彼の凄さは十分に感じ取ることが出来た。

若き日からとにかく描写が精緻なこと。
流儀に縛られることなく、国内外を問わず様々な画法を貪欲に取り入れていること。
描く対象が多種多様であること。
等々...書き出すと枚挙にいとまがない。

あらゆる作品から、彼の作画に対する真摯な姿勢が窺い知ることが出来た。
つまらないこだわりは一切ない。
あるのは、より画家でありたいという思いだけである。
とにもかくにも、北斎という人の作画にかける情熱は尋常ではない。

晩年、「画狂老人卍」という画号を名乗りだした頃からの作品は、枯淡と凄みの両方を感じさせられる作品ばかりだった。しかしそれでも北斎本人に言わせると、”ようやく思うように書けるようになってきた”のだとか。
さらに北斎は、死を前にしてこのようなことを言ったという。

あと10年、いや、せめてあと5年生かしてくれ。
そうすれば、まことの絵描きになってみせる。

こういう人こそ、”根っからの絵描き”というのだろう。
いやはや...凄いのひと言である。
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by taka-sare | 2005-12-05 16:52 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(2)

[芸術の秋]

先日、キースジャレット(以下キース)が3年ぶりにソロコンサートを行いました。
好みはさておき、キースは現代最高と称されているジャズ・ピアニストです。

先日、両親からコンサートに行ってきたとの連絡があったので
電話で感想を聞きました。
(近頃、両親がキースのCDを良く聞いているとのことだったので
このライブのチケットをプレゼントしていたのです)

すると、電話の向こうで母親は次のようなことを話し始めました。
「演奏中、キースはピアノを弾くのを止めた」
「キースは席を立つと、彼は聴衆に向かい(英語で)語りかけた」

自分は何度かキースのコンサートに行っていますが
未だそのような経験はありません。
これは何かあったな...
そう思った私は、主催者である鯉沼ミュージックのホームページにアクセスしてみました。
すると、思った通り、その事に関する記事が掲載されていました。
(現在は掲載しておりません)

・・・

1999年、難病からカムバックしたキースは
以降日本でしかソロ公演を行っていませんでした。
何故だろう...と思っていましたが、これで納得が出来ました。

・・・

携帯電話や撮影はもちろん論外。
でも、咳は仕方ないんじゃない?
そう思う方もいるかもしれません。

キースもその事は十分理解していると思います。
先述した通り、私は何度かキースのライブに行っていますが
その時は、咳が聞こえる中でも演奏は続けていましたから...

確かに、咳やクシャミは仕方のない部分があります。
しかし、記事に書かれているように
手で押さえる等の気遣いはすべきだと思います。

おそらく、キースは咳そのものよりも
聴衆の姿勢が気になったのだと思います。

・・・

演奏者と聴衆...
お互いの心が一点に集まった時、会場は得も言われぬ緊張感や感動に包まれます。
そのような演奏会に出会えた時は本当に幸せな気持ちになり
その時の思いはいつまでも色褪せることなく心に残ります。

ライブの醍醐味は、その空気を味わえるところにあると思います。

なにも堅苦しく背筋をピンと伸ばし、一挙一動に目をこらす必要はないでしょう。
しかし、最低限の姿勢(マナー)は守るべきだと思います。
目の前で、人が心を込めて演奏しているのですから...

これはジャズのライブに限ったことでなく
あらゆる場面において言えることだと思います。


[追記]
実は今夜、このコンサートの追加公演があります。
数日前、ダメもとで予約をしてみたら、なんと席がとれてしまいました。
ということで、今からコンサートに行ってきます。
今日行われる追加公演は、他の3公演とは違う特別公演とのこと。
果たして、どんな演奏になるでしょうか...
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by taka-sare | 2005-10-21 17:10 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(0)

[暑い日の熱い音楽]

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竹製のガムランことジェゴグ


写真は
スアール・アグン 日本公演
2004 in サントリーホール








立秋…
とはとても思えないほど暑い日が続いています。

こんな暑い日には、暑い国の音楽を聞くに限る!
ということで、昨夜はバリ島の芸能・ジェゴグを堪能しに
錦糸町にある<すみだトリフォニーホール>に行ってまいりました。

・・・

「ジェゴグ」とは、バリ島ヌガラ群サンカルアグン村にのみ伝わる
竹製のガムランである。

巨大にして複雑精妙なこの楽器によって奏でられる4つの音階は
それぞれ「方位」と「色」を持ち、それぞれの神が宿るとされる。

大地から沸き立ちうねる重低音、甘えるように舞い誘う高音。
4つの音階は激しく絡み合い
やがてひとつの音階となって調和へと導かれる。

「ジェゴグ」の音は、波動となってその場のすべての魂と響きあい
土地の「タクスウ」(パワー)と一体となって
神秘的な「うねり」をもたらす。

それは、神々の棲む島バリ島が生んだ
最も華麗にして最も美しい「響き」である。

(竹音 ジェゴグ Bamboo Xylophone Ensemble”JEGOG”from Bali より引用)


ジェゴグ今昔物語

第二次世界大戦前までインドネシアを植民地としていたオランダは
竹の楽器を武器に改造し、それを反乱に使用される事を恐れた為
バリの民にジェゴグを禁じました。

その為、一時期、幻となったジェゴグでしたが
1970代、スアール・アグンの芸術監督である
イ・クトウッ・スウェントラ氏の尽力により復興しました。

日本でジェゴグの名を耳にするようになったのは
映画「AKIRA」の中で、ジェゴグを使った音楽(作曲・演奏:芸能山城組)が
使用されてからでしょうか。

最近は、バリ島人気も手伝って認知度は高まっているようです。
確かに、会場は老若男女で溢れかえっていました。


凄い、格好いい、気持ちいい

子供のような形容と思われるかもしれませんが
私の知る限り、ジェゴグを体験した人の多くは上記の言葉を口にします。
心から感動した時は、案外言葉はシンプルになるものです。

私は今年で5回目の体験となりましたが、未だ感動が褪せることはありません。

まだ経験していないという方は、是非一度体験してみて下さい。
凄い、格好いい、ちょーきもちいい。
きっと、こう口にしてしまうと思いますよ。


今回のテーマは<大地の叫び>

芸術監督のスウェントラ氏はパンフレット内でこう語っています。

「この数年間、地球上で様々な悲劇、災難が止まることなく続いています。
これは、大地、自然と人類のバランスが歪んできている証です。
(中略)
私達は破壊をむかえる前に、今一度、天地と人類のバランスを取り戻す事を共に学ぶ時が来たのではないでしょうか。」

・・・

スウェントラ氏の、そして芸術団全員の思いは
音のうねりとなって会場を包み込み
聴衆の心の深い部分にまで響き渡ったことでしょう。

今年は、その高い音楽性にただ感動するのではなく
色々な事を考えさせられる公演となりました。

Sing Ken Kenと言える日が来る事を祈ります。

※ Sing Ken Ken:シンケンケン(バリ語、ノープロブレムの意)
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by taka-sare | 2005-08-08 23:58 | 音楽・芸能・芸術 | Comments(4)