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[歩いても歩いても]

久しぶりに平日に休みがとれたので、昨夜は映画を観に行きました。
映画は、是枝裕和監督の「歩いても歩いても」。

結論から言うと、これが近年稀に見る秀逸邦画で。
とても充実した映画鑑賞となりました。

・・・

とある家族のとある一日の話。
ただ、淡々と、粛々と、小さな抑揚を持って話は進行する。
強烈なメッセージとかそういったものとは無縁の世界。
あざとい演出も、出過ぎた演技もない。
どの小さなストーリーも引っ張りすぎず、明確な答えも出さない。
それゆえのリアルさ。

各場面は一つ一つ丁寧に作られている。キャスティングも良い。
特に樹木希林は見事なまでにその存在感を示していた。
何も出来ない父親の姿を見たときの、次男の気持ちを思うと何とも切なくなった。

「人生は、いつもちょっとだけ間にあわない」

所々でクスっと笑い、時にズキっと胸が痛む。
さりげない言動だけに、ジワリジワリと心のひだにしみ込んでくる。

・・・

観る側がどのような人生の重ね方をしてきたか。それによって見え方、感じ方が変わってくる。そんな映画だと感じました。
興味がある方は是非映画館で。その方がこの映画の良さに触れる事が出来るかと。
by taka-sare | 2008-07-19 23:59 | 音楽・芸能・芸術
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