[酒肴を凝らす]

5/16夕方、前回未遂に終わった「煮貝を食す会」を行う為、再びブツを入手。
で、その日の夜、出張先から帰宅。のち、タッチアンドゴーで友人宅へ。

1860年頃、駿河から採れたてのあわびを醤油に浸し、馬の背に乗せ運んだところ、甲府へ着く頃には味がよく染み、最高においしいあわびに仕上がったとされる煮貝の起源。以来、あわびの煮貝は山国「山梨」の名産となっています

と、老舗「みな与」のサイトにある通り、煮貝は山梨の代表的な名産・土産物となっています。しかしその割には、煮貝に対してあまりいい話を聞いたことがありません。

何故?やはり「名物にうまいものなし」なのか?

それを確かめるべく、前回、実際に食べてみたわけですが...
体調や食材のコンディション、食べ方等、諸々の条件で印象というのはガラリと変わってしまうこともありますゆえ、もう一度確かめてみようと思った次第(好き嫌い関係なく、初めてのものは複数回試すのが私の流儀)。さて、その結果や如何に。


e0011761_1022429.jpg[煮貝]

先ずは身の部分から。旨し。
柔らかく、かつ弾力あり。食感も良し。
次いで肝。旨し。

結論:名物に旨いものあり。


前回は、上に記した話(馬で輸送した話)に習い、あえて常温で持ち帰ったので(帰宅後冷蔵庫で保存。一日経たのち食す)、今回は冷蔵保存で持ち帰り(帰宅後冷蔵庫で保存。一時間経たのち食す)その違いが風味にどう影響を与えるかを確かめてみました。で、その結果ですが...これは想像以上でした。特に肝は歴然たる差がありました。内包する磯の風味が明らかに違うのです。実は前回、肝の後味に磯臭さがやや感じられたのですが、今回はそのようなことは全く無く。むしろ清涼感すら感じられました。

購入時、みな与の店員は必ず「決して温かいところには置かないで下さい」「出来るだけお早めにお召し上がりください」と念を押すように説明するのですが、なるほど、この差を知っているからこその言葉だったのか、と深く納得。

ということなので、もし、みな与の煮貝を食す機会がありましたら、可能な限り「賞味期限1日(出来るだけ早く)、冷蔵保存、出来るだけ薄切り」を守ることをお奨めします。

・ ・・

その昔、山に囲まれ新鮮な魚介類など到底口に出来ない甲州の人々に、生の味を生かした方法であわびを食してもらいたい。そう考えた当店6代目は、伊豆下流の網元と共に加工研究を重ね、「煮貝」の製法を完成し、江戸末期の頃より甲府に入ったと伝えられています。塩漬けの魚しか食べることの出来なかった山国の民の強い憧れが生んだ「あわびの煮貝」。甲府の歴史に思いを馳せながら、豊潤な味わいと柔らかな歯ごたえをご堪能ください(みな与のホームページより引用)。

煮貝に限らず、内陸という、海から離れた土地があるからこそ生まれた食べ物は幾つもあります。それらを食するときは、ここに書かれているように、その歴史に思いを馳せながら食すとまたひと味違ったものとなるかもしれません。

え?我々?そりゃーもちろん、歴史に思いを馳せ...ることなく。
「うまい」「いいね」と言いながら、ただひたすら酒を飲んでいましたとさ。




e0011761_1274064.jpg[フキ]

地元産の採りたてだけあって、風味が鮮烈。
野趣が心地よい。
これが、燗酒に合うこと合うこと。
箸休めどころか、メインでもいいくらい。



e0011761_127511.jpg[ホタルイカのキムチ]

先日のヤツを持参。改めて見ると何だかスプラッタな感じですね(苦笑)
前回感じたホタルイカの新鮮な風味は影を潜める。そのかわり、旨味はアップ。もう少ししたらポックムに使うと最高だろうなぁ。


e0011761_1281220.jpg[馬肉のづけ]

最初、塊で出してきたので「例の鰹のづけ」かと思ったら。今度は馬を漬けてみたとのこと。してそのお味ですが...これ以上漬けると過熟成のゾーンに入るというギリギリのところで...口内に含むと、タンパク質やら何やらが解けてくる時に出てくる香りと旨味が溢れる。かなり旨し。


e0011761_1282386.jpg[卵黄の粕漬け(だっけ?)]

目安とされている賞味期限内に食べたら未熟感を感じたのでしばらく放置した。とのこと。そのせいあってか、随分とこなれた感じに。ミモレット、カラスミに通じる風味。で、アフターに黄身の風味がふわり。旨い。



e0011761_1283727.jpg[レバーペースト]

友人お得意のレバペ。これって初期バージョン?と聞くと「そう」と回答。プロトタイプからずっと食べてきたが、この味が一番印象に残っていたのだ。実は「初期版に戻してみては?」と提案しようと思っていたところだったので思わず歓喜。改めて食べ、蕎麦クレープにはこれが一番合うと思う。


e0011761_1285015.jpg[なれ寿司 三種]

鮑の風味が分からなくなってはいけないと、後半まで出さずにいました。鮎、鯖、秋刀魚。それぞれの特徴が明確にあらわれていて楽しい。いやしかし鯖の脂って強力なんだなぁ。こうやって食べ比べるとよく分かります。鮎はやっぱり鮎。上品な風味はなれになっても変わらず。

e0011761_129579.jpg[炊き込みご飯]

鮑の煮汁(他は水のみ)で作った炊き込みご飯。蒸らし時に煮貝のスライスをのせる。前回私が作った時は二合で炊いたので今回は一合で試す。結果...前回に比べ旨味が濃い。なので、お上品に食したい時は二合版。酒のアテには一合版。食事用にはその中間がよろしいかと。


e0011761_1292825.jpg [この日のお酒達(+どぶ)]

辨天娘が練れてきていていい具合。違うんだけど竹鶴生もとに似ているところがない?と友人。あ、確かに。次いで開栓したての日置桜を冷やで飲んでみる。嗚呼能面。水の如し。これ、燗をしない人には絶対に贈れないなぁ(笑)。燗は偉大なり。
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by taka-sare | 2008-05-25 12:06 | 飲む・食べる・呑む | Comments(4)
Commented by itacha at 2008-05-25 16:25
坐りションベンコースですな♪
Commented by taka-sare at 2008-05-25 21:08
■itachaさん
この夜は、旨いものがドンドンと♪
ちなみに、打ったのは太鼓ではなく舌鼓(笑)
Commented by soba-kiri at 2008-05-25 21:52
レバペには小笹屋竹鶴を含ませると良い結果がでます。

馬肉もチカラをもたせながら熟成させると旨いねぇ。

それにしても野菜が蕗とレモンだけだ(笑)
Commented by taka-sare at 2008-05-26 00:13
■soba-kiriさん
小笹屋竹鶴バージョンはやはりいいね。
この前久しぶりに食べて改めてそう思った。
いやしかし、酒の影響がこうも大きいとは。
色々なバージョンを作ってくれたお陰でよくわかりました。

>馬肉もチカラをもたせながら熟成させると旨いねぇ。

あの馬肉は蠱惑的な風味を放っていたね。マジで旨かった。

>それにしても野菜が蕗とレモンだけだ(笑)

そして、緑色は酒瓶だけときたもんだ。あ、肝も緑か。
これは昨今の健康食ブームに対するアンチテーゼなのか!?(笑)
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