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[とりつかれ男]

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それは一昨昨日のことだった。
晩酌をしていると突然、得体の知れない何者かが
私にこう囁いたのである。

「汝、臓物食が足りないぞう」

あれ、なんかこのパターン、前にもあったような...
はい。そんな貴方は、タカサレ通。





どこかの臓器が弱っているのか?(確かに、ここ2・3日、胃腸の調子が悪かった)。
それとも、この前の宇ち入りの後遺症が表れたのか?
いずれにせよ、こうなってしまったらやることは一つ。
そう、モツを喰らうしかありません。

そんなわけで...翌日の夜、臓物に因んだおかずを作ることにしました。

ちょうど八丁味噌があるので、モツ煮込みにしよう。
さて、ではどんな煮込みにしようか。
某蕎麦屋に習い八丁味噌で攻めまくるか?いや、それだったら店で食えばいい。
ん〜、じゃあ、八丁味噌の生まれし地域の食べ物にするか。

ってなかんじで自問自答し。で「どて(煮)」を作ることに決定。

・・・

関西生まれの私はどてと聞くとどうしても、牛スジが串に刺さった「どて焼き」を思い浮かべてしまいますが...今回私が作ったのはそれではありません。豆味噌エリア(特に名古屋?)でポピュラーな「どて煮」の方です。


[とりつかれ男]_e0011761_265076.jpg[どて] 仕込み後二日目

具材は豚モツとこんにゃくのみ。
下処理等、所謂煮込みの手順を踏んだら、後はひたすら煮込むだけ。
豆味噌文化圏に縁遠い人は、大抵その色に腰が引けます。まるで、関西人が色の濃い汁に入ったうどんを見るかの如く(?)。

名古屋のどて煮は総じて甘めな味付けです(もちろん、店にもよるでしょうが)。私は甘いものはあまり得意ではありません。しかし地域の味・文化は尊重したいと思っています。なので今回は、どて煮と言える範囲内で(よく分からんけれど)甘さを抑えることにしました。まぁ折角どてを作るんだしね。さて、その出来映えや如何に?

先ずは一口...ああ、これは紛れもなく「どて」です。結構いい線いっている。
んー、でも...自分にはこれでもちょっと甘いなぁ。
しかし、1日経ったら風味が落ち着き、甘さが目立たなくなりました。
甘、辛、渋味がナレたのかな。お陰で翌日は美味しく食べることが出来ました。
妻を見ると(おそらくどて煮を食べたことがない)、黙々と食べていたので、まぁまずまず(不味不味ではないと思う)の出来だったのではなかろうか。

・・・

煮込みだけっていうのもなんだなぁ。
ということで「そばがき(ふうわりタイプ)」と「出汁巻き卵」も作ることにしました。

先ずはそばがきから。
これまで何度か作り、さらに、某蕎麦屋で直々に教わっているので、出来はなかなかのものでした(主人、助言通り火に立ち向かいましたぜ!)。さて、では出汁巻き卵も作りますか、と思うも。この時点で結構お腹が一杯になっていたので、作るのは止めることにしました(そういえば焼き芋も食べていたんだった...)。

それにしても...煮込み、そばがき、出汁巻き卵って、まるで蕎麦前のようですね。
もっとも、〆の蕎麦はないので、どう転んでも「蕎麦前」にはならないのですが。

なにはともあれ、モツ煮を作り、そして存分に食べたので気分は沈静化。
これで暫くは、モツ衝動に駆られることもないでしょう。

・・・

...と思っていたのですが。

どういうわけか、その翌日、再び同じモノを作る自分がいました。

今度は、さらに甘さを抑えて
余った煮込みを混ぜたから、さらに旨くなるかなー
などと独りごちながら。

コラアカン... カンゼンニ トリツカレトリマスワ...



* なぜ「どて」と呼ばれるのか *

・鉄板の上に八丁味噌で土手を作り、その中に水を入れ焦がしながら煮込むことから、そう呼ばれるようになった(ちなみに、鍋を使うようになったのはその後のこと)。

・煮込む内に、鍋の側面の味噌がどての様になっていく事から、そう呼ばれるようになった。

といったような説があるようですが...さて。
by taka-sare | 2007-11-16 15:50 | 飲む・食べる・呑む
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