晩酌をしていると突然、得体の知れない何者かが 私にこう囁いたのである。 「汝、臓物食が足りないぞう」 あれ、なんかこのパターン、前にもあったような... はい。そんな貴方は、タカサレ通。 どこかの臓器が弱っているのか?(確かに、ここ2・3日、胃腸の調子が悪かった)。 それとも、この前の宇ち入りの後遺症が表れたのか? いずれにせよ、こうなってしまったらやることは一つ。 そう、モツを喰らうしかありません。 そんなわけで...翌日の夜、臓物に因んだおかずを作ることにしました。 ちょうど八丁味噌があるので、モツ煮込みにしよう。 さて、ではどんな煮込みにしようか。 某蕎麦屋に習い八丁味噌で攻めまくるか?いや、それだったら店で食えばいい。 ん〜、じゃあ、八丁味噌の生まれし地域の食べ物にするか。 ってなかんじで自問自答し。で「どて(煮)」を作ることに決定。 ・・・ 関西生まれの私はどてと聞くとどうしても、牛スジが串に刺さった「どて焼き」を思い浮かべてしまいますが...今回私が作ったのはそれではありません。豆味噌エリア(特に名古屋?)でポピュラーな「どて煮」の方です。 [どて] 仕込み後二日目 具材は豚モツとこんにゃくのみ。 下処理等、所謂煮込みの手順を踏んだら、後はひたすら煮込むだけ。 豆味噌文化圏に縁遠い人は、大抵その色に腰が引けます。まるで、関西人が色の濃い汁に入ったうどんを見るかの如く(?)。 名古屋のどて煮は総じて甘めな味付けです(もちろん、店にもよるでしょうが)。私は甘いものはあまり得意ではありません。しかし地域の味・文化は尊重したいと思っています。なので今回は、どて煮と言える範囲内で(よく分からんけれど)甘さを抑えることにしました。まぁ折角どてを作るんだしね。さて、その出来映えや如何に? 先ずは一口...ああ、これは紛れもなく「どて」です。結構いい線いっている。 んー、でも...自分にはこれでもちょっと甘いなぁ。 しかし、1日経ったら風味が落ち着き、甘さが目立たなくなりました。 甘、辛、渋味がナレたのかな。お陰で翌日は美味しく食べることが出来ました。 妻を見ると(おそらくどて煮を食べたことがない)、黙々と食べていたので、まぁまずまず(不味不味ではないと思う)の出来だったのではなかろうか。 ・・・ 煮込みだけっていうのもなんだなぁ。 ということで「そばがき(ふうわりタイプ)」と「出汁巻き卵」も作ることにしました。 先ずはそばがきから。 これまで何度か作り、さらに、某蕎麦屋で直々に教わっているので、出来はなかなかのものでした(主人、助言通り火に立ち向かいましたぜ!)。さて、では出汁巻き卵も作りますか、と思うも。この時点で結構お腹が一杯になっていたので、作るのは止めることにしました(そういえば焼き芋も食べていたんだった...)。 それにしても...煮込み、そばがき、出汁巻き卵って、まるで蕎麦前のようですね。 もっとも、〆の蕎麦はないので、どう転んでも「蕎麦前」にはならないのですが。 なにはともあれ、モツ煮を作り、そして存分に食べたので気分は沈静化。 これで暫くは、モツ衝動に駆られることもないでしょう。 ・・・ ...と思っていたのですが。 どういうわけか、その翌日、再び同じモノを作る自分がいました。 今度は、さらに甘さを抑えて 余った煮込みを混ぜたから、さらに旨くなるかなー などと独りごちながら。 コラアカン... カンゼンニ トリツカレトリマスワ... * なぜ「どて」と呼ばれるのか * ・鉄板の上に八丁味噌で土手を作り、その中に水を入れ焦がしながら煮込むことから、そう呼ばれるようになった(ちなみに、鍋を使うようになったのはその後のこと)。 ・煮込む内に、鍋の側面の味噌がどての様になっていく事から、そう呼ばれるようになった。 といったような説があるようですが...さて。
by taka-sare
| 2007-11-16 15:50
| 飲む・食べる・呑む
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