[酸味とは、発酵とは一体!?]

e0011761_1456506.jpg[竹鶴 雄町純米にごり酒] 竹鶴酒造

このお酒。昨年、遊人、もとい、友人が営む蕎麦屋で初めて口にしたのですが...いやー、以来、すっかりハマッてしまいました。
で、今年になって思わず購入。
それまで晩酌に飲んでいた酒と共に、現在レギュラーを張っている次第です。

どんな酒なの?
はい。その名の通り、酸味が燦々と輝いています。
え?酸っぱい?
そんな酒が旨いの?


うーん。それは飲んで判断して貰うしかないのですが...
ま、強いて感想をいうならば...
頭ではなく身体が反応する味とでも言いましょうか。「限りなく自然の摂理に従ったが故に、この風味は生まれたんだろうなぁ」と思わされる、そんなお酒だと思います(全然わからないですね)。

竹鶴酒造の酒全般に言えることですが、この酒からも、石川杜氏の「人はサポート役。酒は人が造るのではない」という思いが伝わってきます。竹鶴の魅力は何と言っても、その部分に尽きると私は思います。

・・・

今から15・6年くらい前だっただろうか。日本にある食べ物から酸味が無くなってきたと感じ始めたのは。それからというものの、その傾向は強くなる一方だった。逆に甘味は増加の一途をたどった。俗に言う「甘高酸低時代」の始まりだった。その後も、過当競争ならぬ加糖競争は激化。結果、酸味はすっかり嫌われ者となってしまった。

確かに甘味のある食べ物は旨い。一方酸味は、もともと拒絶すべき味覚だ。
太古より、DNAレベルでそう決まっている。
しかし、かつての日本人は酸味のある食品、例えば発酵食品を多く食べてきた。何故か。それは、発酵が進んだ食品には栄養があり旨みがあると知っていたからに他ならない。

しかし、日本人は時代と共に発酵食品から離れていった。それは、発酵起源の酸味から遠ざかることでもあった。その結果、徐々に日本人は発酵起源の酸味に違和感を覚えるようになった。時を同じくして本物の発酵食品が減少していった。結果、発酵食品から旨みが無くなっていった。
発酵とは言い換えれば腐敗だ。旨さがなければ嗜好するはずもない。
人々はさらに、発酵食品から離れていった。

・・・

えー、これは何の話かと言いますと...
実はこれ、発酵学の権威であるT.S.氏の著書「ZAREGOTO」からの引用なんです。...はい、つまりそういうことです(注:T.S.氏の正式名称は言うまでもなく「taka-sare」です)。

ん?何でこんな事を書いたのだろう...
酔っているから?
否。今私は、キリン...じゃなくて...シラフです。
(あ!今「やっぱり酔っているじゃないか」と思ったそこのあなた。ダジャレが出ている内はシラフなんです。私の場合。でもやはり酔っぱらっているかも??)

あ、そうか。きっと、この酒が私に言わせたに違いありません。
だって、一口飲むたびに酒が「発酵ってつまりこういうことなんじゃない?」と問いかけてくるんですもの。

・・・

このお酒を初めて口にしたら、おそらくほとんどの人が「!?」といった表情を浮かべることでしょう。その後、どう感じるかはその人次第。おそらく評価は大きく分かれることと思います。

飲み手が今までにどの位発酵食品と関わってきたか。
多分その度合いで、決まるんじゃないかなぁ。
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by taka-sare | 2007-01-31 02:10 | 飲む・食べる・呑む | Comments(2)
Commented by soba-kiri at 2007-01-31 02:19
放置しておくとひときわ酸味が立ってきます(笑)。

う~ん、腐ってんのかなぁ?
でもウメー!!訳がわかりませんなぁ。

酸っぱい酒
渋味のある食い物
苦いコーヒー

おこちゃまにはわからない味の世界ですね。
Commented by taka-sare at 2007-01-31 02:36
>soba-kiriさん
うおー、こんな時間にコメントがぁっ!!(辻斬りされた気分・笑)

そうそう。出張続きだったので結果的に放置しちゃったんだけど、帰ってきたらそうなっていました。ただ、最初の頃の暴れん坊ぶりは、ちょっと陰を潜めたような気がします。ま、それは当然か。

熟成の極みは、腐敗と隣り合わせですからねぇ。
妙味とは、そのギリギリのところにあるのかも?

酸・渋・苦...動物にとっては三重苦の味覚ですな。
これは人間だけが、それも大人だけが楽しめる領域ですね。
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