改めてイタリアの生ハムって凄いなぁと思う。原材料は豚肉と塩だけ。あとは風まかせ菌まかせでアノようなものが出来てしまうのだから(もちろん熟練の職人の技術があってのことですが)。鰹節然り、このような先人が生み出した知恵、工夫等に触れる度、頭が下がる。これらは決して失ってはならない財産だろう。
・・・ さて、この前の記事の続き。 これまでに色々な生ハムを食べ、ある程度満足したと思っていました。ところが昨年だったか、とある原木からカットされたものを食した時「嗚呼、原木を知らずに知った口をきいてはいけないな」と思い知らされました。それほど、これまでのものとは比較にならない程旨かったのです。しかし何がそこまでの差を生むのだろうか。余程この豚が良いのか?この会社の技術か?熟成具合?コンディション?きっとどれもなのだろうな。しかし如何せん原木を試した事がないので、それ以上の事は分かるはずもなく。 ってなことを、年末年始、友人の1人に話すと「そりゃーもう、原木を入手して試すしかないでしょ」と一言。はい、ごもっとも。だけど原木って高いよ?それにアノ量を食い尽くすのは簡単ではないしね。まぁでも熟成による風味の変化を知るにはそれしかないよなぁ。 そこで、協力者になり得る面々に数回に渡りプレゼンを行うことに。すると...なんと太っ腹な友人Nが「あーいいよ」と静かに快諾。「え!?ホントに??」プレゼンしておきながら動揺する私。だって...あまりにもあっさり、なんだもの。そんわけで(どんなわけだ?)先月、遂に原木生ハムを楽しむ機会が実現した次第です(物凄く端折っちゃってスンマセン)。 うおぉぉぉ、目の前に以前から気になっていた「ピオトジーニ社製(24ヶ月熟成)」の生ハムが!実は在庫切れだったので一度は諦めていたのですよね。ところが運良く1本だけ急遽入荷されたのです(入荷してくれたんだっけ?)。ちなみにピオトジーニ社は、今でも昔ながらの製法を守っているそうです。なんでも、イタリアでそういった作りをしているのは、もう10件程度とのこと。本場でもそうなんですねぇ。 現物が到着後、そのまま3日間常温放置。 その後、パッケージを剥ぎ、皮をカット。 油の層が厚く、なかなか赤身の部分に到達しない。 やっと赤い部分が顔を出しました。 と、同時にええ香りが。。。 ようやく、馴染みのある断面になりました。 ラルド(ラード)がギラギラ暴力的な光を放ちまくってます。おかげで、カットするたびにナイフがギトギトになり、なかなか上手くスライスが出来ません。ハンドカットの難しさを実感する面々。さて、試し切りした生ハムは当然その場にいた人間達の口に滑り込むわけで。ミルキーなラルド、絶妙な塩加減、後からジワリジワリ溢れてくる旨味。風味はまだ開ききっていないけれど素晴らしい。 切り終わった後、その姿を見ていただけなのに、あっという間に二時間が経ってしまいました。何だか、たき火を見ている時と同じ感覚だったなぁ。。。 それから数日後、第二回試し切りを行う。ラップを解くと、前回無かった蠱惑的な香りが辺り一面に。うーん目眩がしそうだ。ラルドは前回よりも落ち着いたような。全体的に状態がいい感じ。で、当然食す。すると。。。あ、全然違う!たった数日で、明らかに旨くなっています。おかげで、この日は呑むまいと思っていたのですが(以下略)。だって友人がワインを持って来ていたんだもの(後日、とあるシェリーがすっごく合うということを知る)。 ・・・ その後、この豚足が様々な場面に登場したのは周知の通りです(って私の周囲なので、たかが知れてますが)。しかしまぁ「こうも変化するのか!」というくらい風味が日々変化して面白いですね。いやほんと奥深い。 ついぞ先日、20年来の友人が結婚。で、ワタクシ二次会の幹事を依頼されました。場所は地元のカフェレストラン(イタリアン)。ってことは...そうです。こちらに豚足を持ち込んだのは言うまでもありません(秘密裏に)。 事前に参加者から食べたいものをリストアップ。その中から適当に幾つかお願いしますと店長(友人です)にお願いしたら...おぉ、ほとんど採用されているではないですか。 旧知の仲なのを良い事に、無理を言ってすみませんでした。 店長、どれも旨かったっす。 私がリクエストした食べたいもの。それは肉の塊でした。そうしたらちゃんとローストポークが用意されていました。ヒデキ感激ぃ!(ヒデキじゃないけど)肉もさることながら、その旨味を吸った下に敷かれた野菜が旨い〜。 パンは、これまた旧知の友人に依頼しました。打ち合わせの時、幾つかの条件をあげ「それらの条件に合ったパンを数種お願いします」と、相手のポテンシャルに任せきったお願いをしたら、これまた期待以上のものが出てきました。これまた感激。先生、どれも旨かったっす(参照)。 なんだか、どれもこれもインパクトが強くて、肝心の生ハムが目立たないかも。。。と心配になってしまいましたが、原木が出てきた途端、子供達がワラワラと脚の周囲に集結。その後ろに大人という配置。やはり肉塊の威光は別格だった模様。で、カット担当者が切った瞬間、我先にと子供達の大量の手が、生ハムに向かってズバッと差し伸べられました。分かってるねぇキミタチ。しかしまぁ、思えば自分がこの子達の頃は、生ハムなんて知りませんでした。ましてや原木なんて。。。これが時代の違いってヤツなんですかねぇ。 このお店のオーナーも同席されていたので、カット体験をして頂きました。 こちらのオーナーは、渋くてカッチョイイ方なのですが。。。全貌をお見せできないのが残念な限り。
by taka-sare
| 2009-11-05 00:00
| 飲む・食べる・呑む
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